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 二十回目ゲスト 樋口卓治 さん(TAKUJI HIGUCHI)
名前 樋口卓治 さん
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オフィシャルBLOG http://blog.goo.ne.jp/takuzis1/
心がけていること
高須 樋口くんがテレビを作る上で心がけてることとかってある?
樋口 自分の中で設定してるルールってのを再確認したんですよ、最近。
それは、講師として
みんなにしゃべらなきゃならなかったからなんですけど、
たったひとつ 「わくわくさせた分、満足させる番組をつくる」
ってことに尽きるな、と。
高須 なるほど。
樋口 よくあるじゃないですか、アバン(前フリに当たるVTR)で
盛り上げるだけ盛り上げておいて、本編大したことなかったりっていう。
そういうのはよくない…そういうのだけは作らないようにって。
視聴者の人には、とにかく楽しいって感じてもらいたい。
昔、『めちゃイケ警察』で、
一回アニメ作ってやった回があったじゃないですか。
高須 うんうん、あったね。
樋口 歴代の局のキャッチフレーズかなにかを紹介していく流れで、
82年の「楽しくなければテレビじゃない」っていう言葉がでた時に
僕、涙が出ちゃったんですよ。
高須 おお〜、そうなんや。
樋口 ああ、この番組は未だにこんなことを覚えてるんだなぁ、って思って。
今の世の中は 「役に立たなきゃテレビじゃない」じゃないですか。
だけど、少しでもその流れの中で
「楽しくなければテレビじゃない」の精神が入ってればいいなぁと。
1秒でもいいから、その楽しさが入っている番組を作りたいですね。
高須 なるほどなぁ〜。
俺は、片岡飛鳥と番組作ってて思うようになったんだけど、
バラエティをつくる上で、バカな画、というのは
どうしても必要なときがあるんよね。
その「バカな画」を撮ることについては、無駄遣いをしよう!と。
それは無駄遣いではないんだと、俺は思うのよ。
樋口 うんうん。
高須 視聴者が「あの時のめちゃイケすごかったよね」って
思いだしてくれるVTRっていうのは、
大体無駄遣いをして撮った「バカな画」だったりするんよ。
ワクワクすることにお金を思いきって使う。
アクション寝起きのコーナーで、雛形のホテルの部屋にはいるまでに、
ずっとバカなことばっかりやらかす、ていう企画があってね。
その時、岡村がでっかい鮫のハリボテに
襲われるっていうシーンがあるんだけど、
それ1シーン撮るだけで、鮫の輸送からカメラまで全部含めて
1000万かかったのよ(笑)。
だけど、それをやっちゃう片岡飛鳥がすごいなぁと。
岡村は
「あんな1シーンに1000万かかってると思うと、 楽しいし、わくわくする」
って言ったのよね。そういうワクワクって大事だなぁと思うのよ。
テレビ見て「すっげぇ!」って思うことが、俺らの世代には必ずあった。
そういうのを今の世代にも残していきたい、と。
樋口 次のテレビを担う人達は、必ず今の視聴者の中にいるわけです。
もうそんな歳になっちゃったのかなぁと思いますけど、
そういうところを意識しながらテレビ作っていくことが
これから大切かなぁと、今は思ってます。
高須 ここのところのテレビって、すぐ後追いしたがるじゃない。
例えばどこかで血液型をあつかった番組が視聴率をとると、
一ヶ月しないうちにすぐに類似番組ができちゃう。
そればっかりになってしまってるのが本当にツライなぁと思うんだよね。
視聴率が伸びないと、 すぐに「これは数字とってましたよ」と
どこかで見たような企画をプレゼンする人間の意識が、
僕には分からない。
樋口 うんうん。
高須 樋口君もさっき言ってたけど放送作家って、
面白いものを考えるのが仕事で、
「これは数字とってましたよ」っていうのを、
別の会議で他人に伝えるのが仕事じゃないはずなんだけど、
すぐそっち側へシフトする人がいるんだよね。
なによりクリエイターとして、最初にその企画を考えた人達に対して
リスペクトがなさすぎる。
それって放送作家じゃなくて、コソドロだもんね。
樋口 そうですね。ちょっと歪んでますよね。
そういう視点や、危機感を持って話せるかどうかで
テレビの作り手って真っ二つに分かれますよね、今。
高須 そうやなぁ。
でもね、だからって数字を取らないわけにはいかないわけだから、
俺らにもそのせめぎ合いはあるわけじゃない。
だけど、どこかにラインをひいて、
テレビを作る上で、最低限度のモラルを守らないと、
テレビってダメになっちゃう。
「こっちはいい」「こっちはダメ」みたいな、ギリギリの境界線。
そのラインをきちんと僕らが言っていかないとダメだと思うんだよね。
樋口 話としては少しずれるのかも知れないんですけど、
プロ野球好きだったんですよ、子供の頃から。
テレビでは『珍プレー好プレー』とか見てたんですけど、
ああいった番組の中で、清原のことを「番長」っていってるの見ると
ムカッときちゃうんですよ。
そんなことでは子供がプロ野球選手を目指さないだろう、と思うんです。
高須 なるほどなるほど。
樋口 そういう点で、テレビは自分の食い扶持つぶしてる気がしますよね。
もっといいように演出してみたり、かっこいい名称で呼んでれば
憧れも生まれるだろうに、と思うんですけどね。
未来のことを考えてるか、いないか。
「笑いに愛がある」っていうのは
そういうところなんじゃないのかな、と。
高須 愛って大事、ホント大事。
「めちゃイケ」の会議でよく話にあがるのが、
アイドルよりスポーツ選手より
芸人が一番かっこいいってことをみせてやろう!と。
歌よりもドラマよりも、 お笑いが一番笑えて、愛があるんだってことをね。
例えば、芸人になったADを岡村が殴りにいった回とか、俺、涙が出て。
そんなんで「かっこいい!」と思えたときにだけ、
俺は飛鳥に電話するのよね。
「よかった!芸人がカッコ良かった」と。
まあ、そうやって電話したことは過去二回しかないけど、
その二回とも、飛鳥から言われたことは
「高須さんから電話がかかってくる回は、
 20パーセント越えないんですよ…」(笑)。
15パーセントぐらいしかないらしい(笑)。
でも、俺は毎回じゃなくていいから、たまにそういうのが必要だと思う。
樋口 ですね、数字をとらなかったとしても、 それを見て
「芸人、かっこいい! このテレビかっこいい!」と
思ってる若い人達がきっといますからね。
すごく意味のある、濃い15パーセントですよ。
 
家族
高須 ぜんぜん話変わるけどさぁ、奥さんキレイらしいね。
----- 高須さんは、奥さんに会ったことないんですか?
高須 ないない。 子供もいてるし、ね?
樋口 五年生と三年生ですね。
高須 浜田にこないだ「自分は損してるで〜?」って言われてさ。
家族がいて、子供がいたら
子供に自分が仕事してる一番いい時期を見せられたのに、って。
樋口 なるほど。
高須 父親としてリスペクトされるいい時期を逃してる、ってね。
この後に子供産まれたとしても、
その子がお父さんの仕事っていうのを認識できるようになる頃には
「同級生に自慢もでけへんような、
 きっつい番組ばっかりやってるに決まってるやん」(笑)って。
樋口 うちの子はそういうの認識してないと思うんですけどね。
高須 ええー、絶対分かってるよ。
「うちのおとうさんは『学校へ行こう』作ってる」とかって。
樋口 どうなのかなぁ〜。
少なくともこの対談を読まれちゃったら
冒頭がチンコチンコで、全く尊敬されないでしょうけどね〜。
高須 ほんまや、父親の威厳は大丈夫?(笑)
樋口 全然大丈夫です。
高須 じゃ〜、お言葉に甘えてチンコのくだりは
全て美味しく使わせて頂きます。
今日は長時間ありがとうございましたっ。
樋口 こちらこそ、ありがとうございます。
すっかり長湯してしまって…。
小ネタで娘の嫁入り道具を持たせてやるまで頑張ります。
  いつの間にか、辺りには夕闇が降りていた。
ずいぶんと長い時間、話をしていたようだ。
ハープの演奏も、いつの間にか終わっていた。
2人の作家は、エレベーターへと姿を消した。
小走りで向かう先は、きっと次の打ち合わせ場所だろう。
チンコぷらぷらさせながら、酔っぱらいながら、
こんなに真面目にテレビをつくってる人がいる。
いいおっさん達は、ちゃんとここにいる。

はたらくおっさんたちは、やっぱ、かっこいい。
 
  御影湯 樋口卓治の湯 おしまい
「樋口さん、お忙しい中、たくさんのお話をありがとうございました!!」
 
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