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 十八回目ゲスト 松井洋介 さん(YOUSUKE MATSUI)
名前 松井洋介 さん
1965年生まれ。
主な担当番組に「ワンナイR&R」「笑う犬の情熱」「銭形金太郎」「ネプリーグ」 「サッカー小僧7(10月より番組リニューアル予定!)」など。
好きなモノ:スタバのアイスラテ、レアルマドリッド、わたせせいぞう、ブックオフ。  
高須 さあ、チャダの作家論など聞いていきましょう。
最近のテレビと、放送作家の在り方については、
どんなふうに 考えてる?
松井 うーん…おもしろいことを考えても、
それが素直に数字につながってくる時代では
なくなってきたじゃないですか。
自分がずれてきたのか、時代がずれたのか分からないんですけど。
高須 『ごっつ』の頃は、企画がおもしろければ、それが会議を通 ってた。
会議の仕方も
「おもしろい企画はどれだ?これが一番おもしろい。
 じゃあ、これをやりましょう」っていうパターンやったやろ?
松井 そうですね。おもしろいことをやればそれが数字に反映されて、
「ああ、やっぱり数字良かった。おもしろいことを考えたらええんや」
って思ってましたね。
高須 分かりやすい流れやったよね。
松井 僕は放送作家とはそういうもの… つまり
「おもしろいことを考える職業なんだ」って認識してましたね。
それが…最近はなくなってきたじゃないですか。
高須 うんうん、なくなってきたね。
松井 まずコント番組が減ったでしょう。
高須 更に、コントをつくる時には
「おもしろいものを」っていうんじゃなくて
「こんなキャラクターを作ってください」とか発注が来たり。
キャラクターありき、みたいな…。
それていいことなんかなぁ?
松井 いいことかどうか…ですか。
うーん。
高須 どう思う?
松井 ……別に良くも悪くもないんじゃないかと思うんですよ。
でも、世間がどうであろうと、
自分の「これがおもしろい!」っていうところだけは
曲げないでいよう、って思ってるんです。
世間の流れに寄せていってまで、コントを作る必要はないんじゃないか…
っていう気がするんですね。
高須 なるほど。
松井 「こういうことがおもしろいんじゃないか?」って思いついたときに、
例えばそこへ至る入り口を、今風にしてみたりだとか、
そういうことは確かに考えてるんですよ。
かといって、それをすごく世間に寄せて
特に企画ものの番組にあることなんですが、
「F1(20代女性)層が見る時間帯だから、
 料理ものを題材に考えてみようか?」とか
そういうスタートラインは…そこまでしなくてもいいんじゃないか?
と思いますね。
逆にそれで番組がこけたら、目もあてられないじゃないですか!?
高須 たしかになぁ〜。
 
高須 最近、テレビつくってて、
自分がチーフっていう立場になったりした時、
特にどんなことに気をつけてる?
松井 ディレクターとか演出の意見を尊重しよう、
とは思うようになりましたね。
若い時は、自分が下の身分だから、逆に
「いやいや、こっちのほうがおもしろいでしょう!」とかって
自分の意見をぽーんと言えて、ものすごく気楽だったんですよ。
責任もなかったし、感じたままに結構勝手なことを言えてたんですけど、
チーフになったらそういうことを あんまり言わなくなりましたね。
上に立ってる人間が、思うままにあっちへこっちへ意見ぐらつかせたら
絶対やりにくいって分かってきましたから…。
だから、ディレクターの意見を尊重して、その上で
ちょっと違うな、て思うところを「こっちじゃない?」って
軌道修正するような感じに…自然となってきましたね。
高須 ふんふん。
松井 まず、僕がぐらついてはあかん、と。
高須 上がぐらついたら「何がしたいねん?」って
下の若い人達は思ってしまうからなぁ。
松井 そうなんですよ。
で、チーフの作家とディレクターとが、ばっしばし意見が対立しても、
それはまたやりにくいでしょ。
高須 そうやなぁ。
今はどうなの? やりやすい?
松井 僕は全然やりやすいですよ。
それにこれからどんどんそういう状況になっていくんじゃないですか?
自分が歳をとっていくにつれて、 現場は若返っていくんですから…。
高須 俺はチーフの作家をやるのって、そんなに好きじゃないのよ。
セカンドぐらいがちょうどいい。 もう、すっごい気ぃ遣うねん。
ディレクターに気を遣うの、イヤやねん(笑)。
松井 うははは! そんな正直な(笑)。
高須 いろんな事言いたいねん。やりたいようにやりたいんやな。
だけど、あんまりにもディレクターを否定してもあかんし…。
なんていうのかなぁ…経験があるからこそ、
一回やってみてあかんかった事とか、身に染みてたりする。
それを若いディレクター達は経験がないから
「やってみたいんです」って言ったりするやん?
松井 あぁ〜(笑)。
高須 だけど「それはもう、無理なんだって!」ってことが分かってる。
でも、それが分かっていても、
とりあえずディレクター達の言い分を聞く時間が要るやん。
その時間っていうのが、すごくしんどかったりするのよ〜。
松井 なるほどなるほど。
高須 だけど、その一方でね…そういう風に経験則だけで
ものを言ったり、時間を惜しんだりしてはだめだなぁとも 思い始めてる。
経験があるが故に、おもしろいことに対して壁をつくってしまっていて、
「こういう時、素人じゃむずかしいやん」とか
「こういう時、演者はやりにくいで」とか
「この現場ではそんなにおもしろいことはおきひんで?」とか
予測して言っちゃう。
結局、それが飛んでいくことを妨げてる場合があるんじゃないかと。
経験で「この翼では、飛べない」って言っちゃってるのよね、
チャレンジする前から。
松井 うんうん。
高須 『トリビア』の企画を、俺は昔、
フジの小松に雑談の中で 聞かされたんよ。二年くらい前かなぁ。
「深夜にダウンタウンでなんかやりたいっすねぇ」ってあいつが言いだして、
「高須さん、僕、考えてることがあるんですよ。
 なんかすごくくだらないこととか、けったいなことがあって、
 それをみんなで「へぇ〜」って言いながら見るような…
 そういう番組がやりたいんですよねぇ〜。
 ねー、くだらないでしょ〜?(笑)」 って、小松言うてて。
俺は「ふ〜ん、ちょっとおもろいなぁ」返してね(笑)。
確かに「くだらんなぁ」とは思った。
思ったけど、それが まさかこんなに数字取るとは思ってなかったのよ。
それって、経験則で見てしまってたんだと思う。
ディレクターである小松が手がける番組って、年に一本か二本。
俺ら、放送作家は年間10本とか番組を手がける。
圧倒的に出会う演者の数、企画の数、スタッフの数、違うやん?
経験だけでいくなら、絶対数をたくさんやってる人間が有利になる。
だけど、実際にヒットはそういうところから生まれるわけじゃない。
だから、本当に…もー、ホンマに、人の話を聞くときには
学校出たての大学生のような気持ちで…、
まっさらで聞かなあかんなぁ、と(笑)。
経験が真っ先に「そんなんあかんって」って語りかけても、ぐっとこらえて、
「おぉ、そんなんもあるかもなぁ!」って新鮮な思いで、全てを聞く。
まずは聞く。聞くべしと。
だから、チャダの言ってる「ディレクターの意見を聞く」っていうのは
すごくいいと思う。 いいと思うねん。
…思うんやで? ……思うねんけどさ…。
………やっぱりイヤやねん! めんどくさいねん!(笑)
松井 まぁまぁ…(笑)。
僕だってそんな聞こう聞こうって、 ちゃんとできてるわけじゃないですよ?
気分屋ですからね(笑)。
高須 せやろ?
松井 気分によっては 「もうええやん〜」言うて、
ロコツに時計見たりしますからね(笑)。
聞く気あれへん(笑)。
高須 ただ、心がけとして、ね。 もしも学生の時に
「君、ちょっとひょうきん族のコーナー考えへんか?」と言われてたら、
俺は間違いなく寝ずに24時間考えてるだろうし、
それが嬉しくてしょうがないはずなのよね。
それを忘れないでおこうと思うのよ。
まっさらな、大学生のような心で、聞いていく姿勢はほんま大切やよね。
松井 うん、そうですね。
 
高須 最後になるけれども、
これからの自分のビジョンって、どんな風に描いてる?
やってみたい番組とか、他のジャンルのこととかあるの?
松井 今、フジテレビのスポーツの方とお仕事する機会がありまして。
サッカー番組をやってるんですよ。
高須 サッカー番組!?
松井 僕はほんまにベタな日本人でして…
ワールドカップでサッカーにはまりまして…(苦笑)。
高須 なんで!? だって、チャダといえば野球やったやんか!
松井 そうです、もうジャイアンツさえあれば老後はオッケー!!
と豪語しておりましたワタクシでございましたが、
いっっっっっさい巨人に興味がなくなってしまいまして…。
高須 えええええ〜っ、そんなことがあんの!?
松井 いや、もう、サッカーおもしろくて…(汗ふきふき)。
高須 そのへんの一気に染まる感じも チャダらしいというか、
頑固というか、なんというか…(笑)。
そういや、冷たかったよなぁ〜。
ワールドカップの応援の時さ、みんなでお揃いのユニフォーム着て、
一緒に行こうぜ!言うて盛り上がってんのに、チャダは
「いえ、僕は嫁と行くんです」(笑)。
松井 そりゃもう、当たり前ですよ。
高須 また出た(笑)。そろそろ飽きてきた(笑)。
松井 いや、高須さんがふってるからじゃないですか!(笑)
それでですね、ワールドカップ以降サッカーに魅せられ、
スカパー!にも加入し…。
この一年、ほんっっとにサッカーサッカー…サッカー漬けですよ。
高須 ふぇ〜、人間変わるもんやなぁ。
松井 で、そんな風にサッカーサッカー言うてたら、
フジテレビのサッカーを担当してる方と知りあう機会があって、
それが縁で、深夜のサッカー番組を やらしてもらうことになって、
今もがんばってます。
でも…番組をやるにしても、 ただ試合の結果とかを
お知らせしたりとかだけじゃなくて、 サッカーをエンターテインメントとして
見せていきたいっていう思いがあるんですね。
高須 うんうん。
松井 今、抱いてる夢というか、できたらいいなぁと思っているのは
サッカーをエンターテインメントとして扱う、
1時間のゴールデン番組ができたらいいなぁ、と。
野球文化の日本じゃ、絶対にそんなのできなさそうでしょ?(笑)
高須 そうやなぁ〜。
でも、分かるよ。やりたいっていうの、すごく分かる。
松井 そんな番組、有り得ないかもしれない。
だけどそんな番組を子供たちとかがわいわい言いながら見て、
楽しめる国になったら、きっと日本はいい国になると思うし、
日本のサッカーも強くなると思うんですよ。
だから、そんなスポーツ番組をやれたらいいなぁと思っています。
高須 ええなぁ、ええ夢やなぁ〜。
松井 あとはもちろんコントも作り続けていきたいですし、
バラエティは大好きですからずっとやっていきたいです。
でも、今はとりあえず、そのサッカー関係に夢中ですね。
10月からは深夜ですが、1時間のサッカー番組始まりますし、
サッカーがきっかけで新しく出逢えた人達とも、
もう全力で仕事をしていきたいと思っています。
高須 そのへんがもう、ホンマにチャダは一極集中というか、
頑固やねんなぁ〜っ(笑)。
一回決めたら、マジで全力やねんもん。極端すぎるねん!
松井 ですねぇ〜。
----- でも、スポーツやお笑いってところにこだわってるからって
「それしかやりません!」という心持ちではないんですよね?
例えば映画とか、ドラマとかってジャンルは…?
松井 あー、そのへんもお話があれば是非チャレンジしたいと 思ってます。
歌番組とか、旅とか…なんでもやってみたいです。
高須 テレビ以外は興味ないの?
松井 いやぁ、話がないだけですよ〜。
高須 んー、例えば「ワイフと一緒に将来はペットショップ〜」とか
そういう夢とかはないの?
松井 今は…そういうのはないですねぇ。
高須 俺、だいぶ昔にそんな話をチャダとしたの、覚えてるよ。
その時、君はものすごーくほっこりするようなことを
僕に言いましたよ?(笑)
松井 え…?
高須 自分が担当した番組、全部録画して、捨てずに持ってるんやろ?
松井 はい、家にいっぱいあります。
----- ……それって相当な量ですよね?
松井 はい、いざ集めだしたら捨てるタイミング無くて…。
高須 ほいで、俺もそれ聞いてびっくりして、
「おもしろかったヤツだけ抜粋して残しといたらええやん」って 言ったのよ。
そしたら、松井大先生は…老後に〜
「あー…これも俺、やったなぁー…」
「このネタねぇー、こんなパターンね〜、はいはい、やったなぁ〜」
みたいにして鑑賞する楽しみを残すために、全部取っておくんやと。
老後はワイフと一緒に、自分のネタ鑑賞やと。
----- (爆笑)
松井 いいじゃないですか〜っ。
『ごっつ』とか『ワンナイ』のコントを見ながら、
飲めない酒をちびちびと…(笑)。
高須 そんなこと言うて、引退とかすんの?
作家はいつぐらいまでやりたいと思う?
松井 えーと…歳は分からないですけど、
週に一本でも番組が持てる限りはやってます。
0になった時に、やめると思います。
高須 やめるか。
松井 やめるでしょうね。
自分から営業することもできないし、
かといって仕事の電話を待つのもさみしいし。
自分で何かを動きを起こす…っていうのも、苦手ですから。
高須 でも、俺はチャダは仕事が来続けると思うよ。
俺と三木さんが踏んだとおりに、生きぬいて行くに違いない(笑)。
松井 ギリギリですよ〜? いつだって!(笑)
高須 誰だって、ギリギリやって!
松井 まず、僕がぐらついてはあかん、と。
高須 いやいやいやいや、周りから見たらもう、
高須さんなんて、じゅんっぷぅ〜まんっっぱんのっっ!(順風満帆)
松井 (爆笑)
そんなことないって〜!
 
高須 あぁ、もう話し足りないくらいですけどそろそろ時間やね。
今回は頑固で意地っ張りなチャダ先生でした。
松井 頑固ですかねぇ〜。
高須 頑固頑固! でも、そこがチャダのいいところやし、
それは仕事にもいい意味で滲み出てると思うよ〜。
松井 ありがとうございます〜。これからもがんばります。
高須 さて、松井大先生。もう時間がないよ?
最後にバシーッとかっこいいこととか言わなくていい?
だいじょうぶ?
松井 えっ、急に言われましても…。
高須 多分、対談の前半ほとんど「汗かいた」「汗かいた」で、
後半ほとんどが「僕のワイフ」「僕のワイフ」になってるよ。
松井 ああー、なるほどなるほど…なるほど。
でも、最終的に言わしてもらっときますと、
この汗は太ってるからやないですよ(笑)
高須 いや、誰もそんなこと言うてへんし(笑)
  御影湯 松井洋介の湯 おしまい
「松井さん、お忙しい中、たくさんのお話をありがとうございました!!」
 
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